僕は先生を愛してます
・・聞き慣れない声。

翔太の背後から首を伸ばす。

 
 
ドクンっ・・・
 

心臓が揺れた。


「あんた、誰?」

翔太は笑いながら女に尋ねた。

「橋本先生が家の事情で1年間これなくなったから急遽、私が変わりに数学を教える事になったのよ。今日、集会で挨拶したでしょ?」

・・サボっていたから
 知らない。

黒板に目を向けると、大きな字で“松下恭子”と書かれていた。

「そうなんだ」

「そうなんです!で、あなた名前は?」

先生は出欠簿を出した。

「川崎 翔太」

翔太は席につきながら発する。

「川崎君ね。で、あなたは?」

「・・」

「聖夜?」

翔太の声で我に戻った。

「幸村 聖夜君?」

先生が問う。

「はい。」

僕はゆっくり椅子に腰を下ろした。












・・おいおい・・。

・・なんだ・・。

・・胸がおかしい。

・・“前の”感情が
 押し寄せてくる。
 
 
 
 
 
「・・っや・・・」

「聖夜!?」
 
 
「え?!」

翔太の声が異常に響く。

「何ボーとしてんの?」

「別に?」

・・初めて逢った女・・
 先生の事を考えていた
 なんて言えない。
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