僕は先生を愛してます

―午前10時。


「遅いじゃん!」

「あんたが来るのが早いだけなんだよ!」

「本当、生意気ね!この前は涙なんか流してたくせにさ」


僕は愛を睨んだ。


「ほっ、、ほら!ハンカチは持ってきた?」


「あぁ。ありがと」


僕は愛にハンカチを渡す。


「きれいにしてくれたんだね?」


感心しながらハンカチを見ている愛。


「家政婦の人がしてくれたんだよ」


「家政婦?!家政婦なんて雇ってるの??もしかして・・凄い金持ち?!」


「さぁな?」


鼻で笑った。

“金持ち”と言う言葉なんて興味がない。


「ねぇ、聖夜の上の名前なんていうの?」

「んなの聞いてどうすんだよ?」


「いいから!」

「幸村だよ」

「えぇー??」


甲高い声が更に高くなる。
< 86 / 227 >

この作品をシェア

pagetop