海にかけた50%or50%

その一言で

Й akina


私は
泣いたまま病室に戻った。

本当はわかってるよ。


朱鷺也くんは何も悪くないし、
私はとっくに朱鷺也くんのことを許してる。


でも…自分を許せないんだ。


レイプにあって。
私のは体大丈夫って
だけど…
心は悲鳴をあげ続けているんだ…。


ねぇ?
なんでこんなことになったのかな?


―トントン―


「はい…」

「こんにちは」

誰??

「初めまして。秋菜さん」


「あの…あなたは?」

「私は朱鷺也のいとこの亜美です」

いとこ??

「実は…」




「ハァ…ハァ…」

朱鷺也くんどこ??



《あの日、朱鷺也は私の結婚のお祝いにおごってくれて一緒にお酒を飲んでいただけなの。だから…朱鷺也を許してあげてください》



朱鷺也くん…。
あの日は、いとこの結婚のことを祝福してたんでしょ?


朱鷺也くんは、
誰にでも優しくて
みんなのことを大事だって思ってくれるから

だから…嬉しかったんだよね?

自分のことみたいに喜ぶ
朱鷺也くんの笑顔が思い浮かぶよ…。



ちゃんと謝らなきゃ。

私は、ずっとレイプのこと
思い出すんだろうけど


たぶん…
朱鷺也くんの優しさに
包み込まれて
前を向いて生きていけるよ。




.
< 110 / 123 >

この作品をシェア

pagetop