海にかけた50%or50%
8.秋菜の秘密



「あの…」


「なにかしら?」


「どうして秋菜はアメリカにいったんですか?」



俺はどんなことを聞いても
全て受け入れる覚悟でいた。


「秋菜はね…元気な女の子だったの。
でも、幼稚園に入園した年肺炎にかかって…それから重度の喘息に耐えて…この16年間病院生活の日々をおくってきたの」


俺は真剣に話を聞いた。

「それで最近さらにひどくなって…心臓の機能も低下してきて…それでね心臓の移植手術が決まって提供してくれる脳死のドナーも見つかったの。けど日本の今の医療じゃ秋菜の手術にはとてもじゃないけどできないの。準備も整ったし、そのために秋菜はアメリカに行ったの」


移植手術…。


「手術の成功率は…どのくらいなんですか」


「50%/50%って言ってたわ」

五分五分…か。


いい方にころぶか…
悪い方にころぶかは

まったくわからない…。


あの日は、それで死のうとしたんだ…。



俺、何にも知らんかった。


「秋菜…いつ帰ってくるかはわからないけど…秋菜と電話で話し相手になって欲しいの」


「でも…」

「秋菜は…それを望んでいるのよ」


秋菜?
俺とまた話してくれるか?


「はい」


「ありがとう。空崎くん!!」



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