海にかけた50%or50%
10.運命の日
Й akina



「秋菜さん頑張って下さいね」

なんて…
悠長に言ってる看護師さん…。


そうなんだ。

今日は私の手術日…。


「秋菜…すぐ終わるわよ」
「そうだよ。だから頑張るんだよ?」

お母さんも、お父さんも
真剣な顔しちゃってさ…。


「朱鷺也くん遅いわね…」

―ドキッ…。。―


「渚っ…」

「あ、私ったら…」

朱鷺也くんは今アメリカにいるけど、今日は忙しくて来れないんだって。

そうだよね…。
もし…失敗したら…


一生、朱鷺也くんに会えないんだ…。

それが悲しくて
一筋の涙がこぼれた…。

私、まだ好きって言ってないのに…。

もっと普通だったら良かったのに。



普通に高校生になって、
普通に恋をして
当たり前の生活が欲しかった。


あの時、死んでたら
こんなつらい思いはしなくてもよかったのかなぁ。。

もう、よくわかんない…よ。

頭が空っぽになれば楽になれるのに…。


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