海にかけた50%or50%


俺は深呼吸すると秋菜の病室のドアを開けた。


「空崎くんおはよう」

秋菜の母さんに挨拶されて
俺は一礼した。

きっと秋菜も笑顔で俺に

“朱鷺也くんおはよう”

って言ってくれる。
そう思った。

でも、秋菜からの言葉は…


「お母さん、この人誰?」
耳を疑った。

「秋菜の友達の朱鷺也くんでしょ??」

「え?私に男の子の友達なんかいないよ〜」

は?

「俺のこと忘れたのか?」

まさか…

「あ、ごめんなさい…」


神様。
あなたは酷い人ですよね。
俺の幸せを取ったんだから。


秋菜の母さんは先生を呼んだ。

診察結果は…

「突発性記憶障害ですね…」

つまりは記憶喪失…。

俺は泣いた。
悲しすぎるよ。


告白もできねぇよ。


俺はとりあえず帰った。


このままじゃ
埒があかない…から。


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