海にかけた50%or50%
「朱鷺也くん…別れて」
少し驚いたけど、
もう迷わない。
「じゃあ、本当にバイバイ…今までありがとう」
秋菜は一歩
また一歩
俺から離れていく。
だけど、俺は…
「秋菜!!」
「えっ…」
もう離れられない。
「俺が秋菜と別れるわけないじゃん」
「だけど、私はっ!!」
「1%でも可能性はあるんだろ?」
「うん…」
「なら、その可能性ムダにしてどうすんだよ!!」
「え…」
「生きるために、わずかな可能性でもかけてムダにはならないんだよ!!」
「朱鷺也くんっ?」
俺は泣きながら
秋菜を抱いた。
「俺が助けてやるから」
「朱鷺也くん…」
「俺が秋菜を守るから心配するな」
「だけどっ!!」
「どんなことがあっても俺は秋菜のそばからは離れていかないから」
「っ…うんっ…!!」
俺たちは、いつまでも抱き合い続けた。
俺の心が小さすぎたんだ。
これからは…
でかい心で秋菜を包み込むから。
迷いなんてない。
俺の道は…たった一つだ。
俺が絶対にお前を助けてみせるから
.