海にかけた50%or50%
玄関の扉が開いた。
「お嬢様!!…奥様、奥様!!」
俺は呆然としてた…。
「さぁ、お嬢様寒いですから…あら?お嬢様こちらの方は、お友達ですか?」
「あぁ…まぁそんなものよ」
なんか…さっきと声違うじゃん。
「でしたら、お友達の方もどうぞ」
メイド?いや執事ってやつ?
男と女の人がいた。
俺は、広い部屋に通された。
「あたたかいミルクです」
「ありがとう早苗」
「いえいえ、あ…お友達の方も」
「あ、あ、ありがとうございます」
「それじゃあ私はこれで」
「ねぇ」
「なに」
「なんでさっき病気ってだけで血相変えたの?」
「別に、お前には関係ないじゃん」
「だって気になるじゃん」
「じゃあお前は、なんで病気なのに、そんな元気なわけ?」
「え…」
ほら、動揺してる。
「だって、これを乗り越えれば好きなこといっぱいできるもん…」
すんげぇポジティブだ…。
「それに…」
「それに?」
「約束したから…絶対元気になるって」
こいつにもなにかあるのか?
「だから、あたしは」
「なわけねぇよ」
「え?」
「思ってなくても…死は突然にくんだよ!!いつのまにか手遅れになっちまうんだよ!!」
「どうしたの?」
「あら?渚?」
「お母さん!!」
渚の母さんはどこか由奈に似てた。
.