海にかけた50%or50%


―ガチャ―


「秋菜」

「お父さん!」

「元気になってよかった。それより空崎くんと少し話たいから借りてもいいかな?」


「朱鷺也くん」

「俺も話あります」

「んじゃ屋上で待ってるから」

「秋菜…俺行ってくるな?」


「うん」



―バタン―



「秋ちゃん変わったね」
「え?」


「なんていうか…前より強くなった」

「そうかな…」

あんま…気づいてないけど


「きっと彼氏さんのおかげだよ」

「うん」

本当にそれは思う。


「実はね…あたし由維とケンカしちゃって…」

「え…」


「夜、由維がフロントの女の人たちと楽しそうに笑ってるの見ちゃって…そしたら走って海に行って、親切な男の人が話を聞いてくれて…。ても、それを由維に見られてて…」

「ケンカになったんだ?」

「うん…」

「それで逃げ出したの?」

「ちょうど、おじさんから連絡きてラッキーみたいな」


明美…。
昔から由維くんのこと本当に好きだもんね。


「ケータイは?」

「見てない」

「見てみなよ」



「あ…」
「ん?」

「いっぱいきてる…」


明美のケータイには
何十件もの着信とメールの数々…。


「これ見て!」


【昨日は言いすぎた…ごめん。謝るから早く戻ってきて!!】

なにこれ(笑)


「由維くん優しいね♪」
「バカなだけでしょ」



「じゃ…バカ由維のために行くわ。もう帰るね?」

「うん…。またね♪」


「もちろん!!早く元気になってよね♪」


明美…。
本当にありがとう…。


.
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