お嬢様の執事様
俺のお嬢様-side 零-
真っ白い光が屋敷に充満する、よく晴れた暖かい日だった。

旦那様がお孫さんである陽姫様の葬式に出席なされてから、もう一週間がたっていた。

「――えっ!?もう一人のお嬢様が来るって!!?」

俺、垣元 零(カキモト レイ)は、驚きから叫ぶように(というか、叫んだ?)そう言った。

「あぁ。というか、お前知らなかったのか?屋敷ん中じゃかなり広まってる話だぞ?」

「知らなかった…」

「お前なぁ…」

俺の同僚である野々村 巽(ノノムラ タツミ)は呆れたように呟いた。

ちなみに、俺と巽はこの屋敷で執事として働いていて、数えたことはないが、この家に執事として仕えてかなりたっているはずだ。

そんなことを話ながら最後のティーカップを磨き終えたその頃、この屋敷の主人であり、俺たちの主人である冬真様がお帰りになったと報告があり、俺たちはお迎えのために、忙しなく玄関へと向かった。


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