神様からのギフト
「よしっ、と」
丁寧に拭いてあげたその身体は、艶々していて触り心地の良い毛並みだった。
「えっと次は……」
ぱたぱたと歩いて冷蔵庫まで行く。
中から牛乳を取り出し、適当な小皿に注ぐ。
「飲むよね……?」
猫といったら牛乳と魚だろうと勝手に私の頭が言う。
残念ながら我が家の冷蔵庫に魚はいないので、前者を取ってみた。
小皿を猫の目の前に置き、様子を見る。
猫は最初に匂いを嗅ぎ、一口舐めた。
そして気に入ったのか次々にぴちゃぴちゃと音を立てて飲みだした。
「あはっ、かわいー」
夢中で牛乳を舐めるその姿は、すごく可愛い。
しばらくの間そんな猫の様子を見ていた私は、ふとあることに気付いた。
「名前……どうしようかな」
飼うからにはまず名前をつけなきゃ不便だ。
「オス、だよね。うーん……」
はっきり言って私にネーミングセンスというものはない。
せいぜい思いつくのが……
「クロ……」
いやいや、これはありきたりすぎる。
「ポチ」
……ポチは犬か。
「えーと、えーと……」
普段使わない頭をフル回転させ、必死に考える。