神様からのギフト
 




***


「あんたの寝起きの悪さは相変わらずね。その寝グセも」

休み時間、私の所に来た美月が呆れたように言う。

私は慌ててぴょこんとはねている髪を押さえた。

しかし手を離せばまた、重力に逆らって上を向く。



確かに私は朝に弱い。

目覚ましは最大の音量にしないと起きれなし、それでも中々目覚めないからタチが悪いんだよなあ……。


うーん、と唸る私に美月は言葉を続ける。

「やっぱり音弥さんがいないと駄目なのね」

そう言って、今度は意地悪そうに笑って私を見た。

「だ、大丈夫だし。あんな過保護な人がいなくたって生きていけるもん」

「そんなこと言って。いつも朝起こしてもらってたくせに」

「そ、それは……!」

「そんなんじゃいつまで経っても兄離れ出来ないわよ」

「むー……」

美月の言葉に言い返すことの出来ない私は、また唸り声を上げた。

音弥(オトヤ)とは今は海外に主張に行ってる、私のお兄ちゃんの名前。

私が唯一の肉親になってしまったからか、すごく過保護だ。

アメリカに行く日の朝も、泣いてたっけなあ。

詩歌を置いて行けない、って喚きながら。

むしろお兄ちゃんの方が妹離れ出来てないと思う。

極度の心配性でもあるお兄ちゃんを無理矢理タクシーに押し込んで、作った笑顔で手を振ったあの日から早三ヶ月。
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