神様からのギフト
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「あんたの寝起きの悪さは相変わらずね。その寝グセも」
休み時間、私の所に来た美月が呆れたように言う。
私は慌ててぴょこんとはねている髪を押さえた。
しかし手を離せばまた、重力に逆らって上を向く。
確かに私は朝に弱い。
目覚ましは最大の音量にしないと起きれなし、それでも中々目覚めないからタチが悪いんだよなあ……。
うーん、と唸る私に美月は言葉を続ける。
「やっぱり音弥さんがいないと駄目なのね」
そう言って、今度は意地悪そうに笑って私を見た。
「だ、大丈夫だし。あんな過保護な人がいなくたって生きていけるもん」
「そんなこと言って。いつも朝起こしてもらってたくせに」
「そ、それは……!」
「そんなんじゃいつまで経っても兄離れ出来ないわよ」
「むー……」
美月の言葉に言い返すことの出来ない私は、また唸り声を上げた。
音弥(オトヤ)とは今は海外に主張に行ってる、私のお兄ちゃんの名前。
私が唯一の肉親になってしまったからか、すごく過保護だ。
アメリカに行く日の朝も、泣いてたっけなあ。
詩歌を置いて行けない、って喚きながら。
むしろお兄ちゃんの方が妹離れ出来てないと思う。
極度の心配性でもあるお兄ちゃんを無理矢理タクシーに押し込んで、作った笑顔で手を振ったあの日から早三ヶ月。