神様からのギフト
もうその位経ったのか、と思った。
お兄ちゃんは私の為に頑張ってくれているのは分かってるし、感謝もしてる。
だけどちょっと、いや、かなり過保護なんだよね。
そんなんだから彼女もいないのかな。
「ちょっと、詩歌」
「ふぇっ、何?」
「何、じゃないわよ。ぼーっとして」
「あ、ごめんごめん。お兄ちゃんのこと思い出してた」
「そう。……寂しい?」
「あはは、最初はなんか解放された気分で嬉しかったけど、やっぱりちょっと寂しい、かな」
どんなにうざく、……どんなにアレでもやはり家族は家族なんだ。
両親の死でそれを嫌という程実感する事が出来た。
だから、会いたいと思う。
「いつ帰国するんだっけ?」
「えっと、まだ分かんないけど今年中には帰って来れるみたい」
「今年中、か。早く出張終わるといいわね」
美月はそう言って微笑む。
私はありがとう、と言って笑った。