神様からのギフト
「リト、お腹空いてるだろうなー」
昨日から牛乳しかあげていないから、今頃きっと腹ペコであろうリトの姿を思い描いた。
帰ってきて部屋に誰かがいるなんて久しぶりだから、なんだかちょっと嬉しいなと思った。
たとえそれが猫でも変わりはなかった。
だから、私はうきうき気分で部屋の鍵を開け、ドアを開いた。
「ただいま。リトー、ご飯買ってきたよー」
リトの名前を読んでみたけど、姿を現さない。
まだ懐かれていないのかな、なんてちょっと寂しくなりながらリビングへ向かった。
次の瞬間、私の思考が停止した。
「……だ、れ?」
かろうじて出た言葉は私の心からの疑問。
リビングのソファには、知らない青年がいた。
真っ黒な髪の、整った顔をした青年が。