神様からのギフト
 
あまりの突然な光景に、ツッコミたい所はたくさんあるけど、何より一番驚いたのは――。

「ね、ネコ耳!?」

黒髪青年の頭にある、これまた真っ黒なネコ耳。

全部が謎で、私は声を荒げた。

「き、君誰!? 何でうちにいるの!?」

多分この時の私の声は情けなくも、震えていたと思う。

だって、仕方ない。

いきなり自分の家に見知らない男がいたら、誰だってびっくりする。

不法侵入もいいとこだ。

悲鳴をあげないだけまだマシだ、と思う。

「……?」

私の言葉に、どこか眠たそうに見える青年は首を傾げた。

「……誰って」


そしてさらりと







「リト、だよ。シイカがくれた名前」

少し嬉しそうに言った。


私はまた思考が停止したのを理解し、ゴトン、とキャットフードの入ったスーパー袋が音をたてて床に落ちた。
< 22 / 52 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop