神様からのギフト
あまりの突然な光景に、ツッコミたい所はたくさんあるけど、何より一番驚いたのは――。
「ね、ネコ耳!?」
黒髪青年の頭にある、これまた真っ黒なネコ耳。
全部が謎で、私は声を荒げた。
「き、君誰!? 何でうちにいるの!?」
多分この時の私の声は情けなくも、震えていたと思う。
だって、仕方ない。
いきなり自分の家に見知らない男がいたら、誰だってびっくりする。
不法侵入もいいとこだ。
悲鳴をあげないだけまだマシだ、と思う。
「……?」
私の言葉に、どこか眠たそうに見える青年は首を傾げた。
「……誰って」
そしてさらりと
「リト、だよ。シイカがくれた名前」
少し嬉しそうに言った。
私はまた思考が停止したのを理解し、ゴトン、とキャットフードの入ったスーパー袋が音をたてて床に落ちた。