神様からのギフト
「オレは、リトだよ。信じて、シイカ」
今度はどこか必死に話す彼は、やはり嘘をついているようには見えない。
そしてその瞳はとても寂しそうだった。
その眼差しに、どきりとした。
この目を私は知っている。
リトを拾った時、その時と同じ目――。
――この時の私はどうかしていたのかもしれない。
ただ単に頭が混乱してしまっていたのかもしれない。
非現実なことを無理やり正当化させることで、自分を納得させたかったのかも、しれない。
「――分かった。信じる、よ」
だけど何より、これ以上彼を疑うことが出来なかったんだと思う。
「……ありがとう、シイカ」
先ほどの表情とは打って変わって、はにかむように笑う彼を見て、何故だか胸が熱くなった。
信じてしまったその瞬間から、私のセカイはカタチを変えた。