神様からのギフト
思わず叫んで抗議しそうになるのを堪えて、仕方ないとため息をついた。
「と、とにかく」
「……?」
「君はこれからどうするの?」
「これ、から?」
「その……いつまでその姿なのかな〜、なんて」
若干苦笑いをしながら祈るように訊いた。
頼むから早く猫の姿に戻ってください。
神様、お願いします。
「分かんない」
……神様の馬鹿野郎。
「分かんないって……」
どうするのさ。
「自分で戻れないの?」
「……うん」
「そ、そっか」
まるで他人事みたいな素振りを見せるリトに私は、幸せが逃げていく、と思いながらまたため息をついた。
「行くあて……あるの?」
「ないよ」
「早っ!」
即答ですか!
重大なことなのに、当の本人は何でもないような顔をしてる。
住む所がないって……もっとこう、鬼気迫るものがあってもいいのでは……?
どこまでも常識はずれなひと(猫)だ。