神様からのギフト

「あだっ」

驚いて振り返ると、そこに立っていたのは

「もう少し色気ある声出せないのか、馬鹿楠」

ドSな教師でした。

「佐倉先生!? 何でここに?」

ストライプの入った濃いグレーのスーツに、青色のネクタイを身に纏う彼は、私の質問に眼鏡を指で直しながら答えた。


「さあ、何でだろうな。それより何だその頭は。センスを疑う」

「こ、これは寝癖です!」

相変わらず人を馬鹿にしたように話す先生は、片手に出席簿を持っていた。

恐らく、いや確実にそれで私の頭を叩いたんだな。

「どう寝たらそんな犯罪的な頭になるんだ」

「は、犯罪!?」

思わず声が裏返った。

どこまで口が悪いんだ、この教師は……!

「いいからとにかく席着け」

はあ、とため息を吐きながら先生はだるそうに言った。

……ため息をつきたいのはこっちだよ。

そう思ったけれど、言ったら絶対暴言付きのお返しをくらうだろうから止めておいた。
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