神様からのギフト
「――ってことで。今日は風邪で休んだ橋本先生の代わり俺が来てやった。宜しく」
「あれ、副担の林はー?」
「出張だ」
挙がった疑問の声にそう答えて、佐倉先生はめんどくささ全開で出席を取っていった。
その間、後ろの女子が隣の席の子と小声で
「朝から佐倉先生見れるなんてラッキーだね」
「だよね! 橋本ずっと風邪引いてればいいのにー」
なんて言っていたのが聞こえた。
口はとても悪いが、顔が良いからか佐倉先生にはファンが多い。若いし、独身だし。
中にはあのSっ気が良いという子もいるらしい。
どちらも私には理解出来ない。
やっぱり男の人は、優しくて包容力があって笑顔が素敵で……。
間違ってもあんなサディストは嫌。
ああ、それからよくマンガとかに出てくる所謂(イワユル)不思議系も苦手だな。
どことなく無気力で、しかもゴーイングマイウェイで。
そんなの好きになったら絶対苦労する。
まあ、そんな人なんてそう簡単に現実にいないだろうけ、ど……?
「――あ」
自分ちに、いた。