神様からのギフト
まだ美月が何か言おうとしたその時、昼休みの終了を告げるチャイムが響き渡った。
「じゃあまたね」
「あ、うん! ごちそうさまでしたっ」
元気にそう返して、席に戻っていく美月の後ろ姿を見送った。
と、同時に英語の教師が教室に入ってきた。
そういえば次は英語だった。
……お昼寝決定。
聞こえてくる意味不明の言語を子守唄代わりにして、お腹の満たされた私は夢の世界へ――。
――旅立たなかった。
「こら、楠詩歌!! 起きなさい!」
「むにゃ、はい!」
自分の名を叫ぶ英語教師の大声で私の意識は完全に覚醒させられてしまった。
ああ、皆が笑ってる。
クスクスと教室のあちこちから笑い声が聞こえる。
その上、窓の向こうから降り出した雨に、今日はとことんついていない日だと思わずにはいられなかった。