冬物語
記憶
小学校6年生の時・・
「ねぇ、レイ。」
「ん?」
呼ぶと顔を近づけてくる。
それだけであたしはドキッとしていた。
もうその時はすでに“好き”だったんだ。
「この絵本見てよ。」
「絵本って・・お前子どもかよ。」
呆れつつもちゃんと話を聞いてくれるのがこの人の優しいところだ。
「いいのっ。この本には女の子と男の子がいるんだけどさ、二人幼なじみなの。それで、すっごい仲良しなんだけど、ある日に女の子が嘘ついて『大っ嫌い』って言っちゃったの。」
あたしが必死に説明する。
「なんでそんな嘘ついたんだよ。」
「女の子は、ほんとはその子のことすっごい好きだったんだよ?だけど、意地っ張りで嘘ついちゃったんだって。」
「馬鹿にもほどがあるだろ。」
「うん・・。それから二人しゃべらなくなったんだって。」
「最悪じゃん。」
「あたしたちも幼なじみだよ?嘘ついちゃ駄目だからね?」
あたしは絶対嘘つかないから。と付け足して、あたしとレイは笑ってその話が終わった。
そして次の日の朝、いつもどおりレイと登校した。
それが、最後だったんだ。
「ねぇ、レイ。」
「ん?」
呼ぶと顔を近づけてくる。
それだけであたしはドキッとしていた。
もうその時はすでに“好き”だったんだ。
「この絵本見てよ。」
「絵本って・・お前子どもかよ。」
呆れつつもちゃんと話を聞いてくれるのがこの人の優しいところだ。
「いいのっ。この本には女の子と男の子がいるんだけどさ、二人幼なじみなの。それで、すっごい仲良しなんだけど、ある日に女の子が嘘ついて『大っ嫌い』って言っちゃったの。」
あたしが必死に説明する。
「なんでそんな嘘ついたんだよ。」
「女の子は、ほんとはその子のことすっごい好きだったんだよ?だけど、意地っ張りで嘘ついちゃったんだって。」
「馬鹿にもほどがあるだろ。」
「うん・・。それから二人しゃべらなくなったんだって。」
「最悪じゃん。」
「あたしたちも幼なじみだよ?嘘ついちゃ駄目だからね?」
あたしは絶対嘘つかないから。と付け足して、あたしとレイは笑ってその話が終わった。
そして次の日の朝、いつもどおりレイと登校した。
それが、最後だったんだ。