冬物語
家に着くと、久しぶりな顔があった。
「おぉ、久しぶり。」
感動の再会でもなかった。
その言葉に、少し笑ってみせる。
「2年も帰ってこないなんてお前もグレたな。」
笑いながら言うお兄ちゃんの空。
別にグレてないしね・・。
「明日だろ?何時から?」
その質問に、あたしはノートとペンをかばんから出してそこへ書く。
【3時】
「また微妙な時間だな・・」
フッと鼻で笑う空。
「車で行くのか?」
その質問に、首を横に振る。
だって、お母さん車修理出してるから。
「明日の朝取りに行くのよ。車で送ってってあげるわよ。」
その言葉に甘えようかとも思ったけど、なんとなく学校までの道のりを歩きたいあたしは帰りだけお願いした。