冬物語
「…。」
会話のリズムがすごく早かった気がする。
家族以外の人と話すのは久しぶりだったから、なんだか緊張した。
小学校の頃はこれが普通だったんだと思うと、本当に臆病になったなと思う。
「早よ行こー!」
「体育館てどっちやっけー?」
そう言いながらあたしの横を走っていく女子高生たちを見て、急いであたしもそれについていった。
体育館前は既に人だらけだった。
やっとクラス表まで辿りつき、あたしの名前を探す。
1組…2組…
「(あ!3組だ。)」
「あ!俺3組ー♪」
あ、一緒のクラス…?
「うわっ俺もや。」
「“うわ”ってなんやし。」
「お前と何回クラス一緒になっとると思っとんのや。」
「ええやんか。結局いっつも一緒に帰っとんのやしさ。それに惟子とも一緒のクラスで内心むっちゃ喜んどるクセに♪」
「うっせ!」
あたしのすぐ後ろて言い合いが聞こえる。