冬物語


3組…どこだろ。



回りにいるみんなは、友達と一緒に話しながら廊下を歩く。


一人なのあたしだけだ…




「なあなあ、後ろの子見たことないで。」

「ほんまやな。でもなんか可愛くない?」

「うん。転校生なんかな。うちらはええけど、これから名前覚えるん大変そうやんな。」





後ろをちらちら見ながら、話している女の子二人組。



あたしは後ろを振り返ると、ほんとに可愛い子がいる。


転校生なのかな…
仲良くなれるかな…







「あ、遥加だ!どこ行ってたん?」


「トイレ行くって言ったやん。」



あれ…?

転校生じゃないんだ。


少しがっかりしていると、気付いたら上のところに



1-3と書かれたプレートが掛かっている教室に辿りついた。




ここだ…



あたしは意を決して教室のドアを開けた。






< 159 / 186 >

この作品をシェア

pagetop