冬物語
3組…どこだろ。
回りにいるみんなは、友達と一緒に話しながら廊下を歩く。
一人なのあたしだけだ…
「なあなあ、後ろの子見たことないで。」
「ほんまやな。でもなんか可愛くない?」
「うん。転校生なんかな。うちらはええけど、これから名前覚えるん大変そうやんな。」
後ろをちらちら見ながら、話している女の子二人組。
あたしは後ろを振り返ると、ほんとに可愛い子がいる。
転校生なのかな…
仲良くなれるかな…
「あ、遥加だ!どこ行ってたん?」
「トイレ行くって言ったやん。」
あれ…?
転校生じゃないんだ。
少しがっかりしていると、気付いたら上のところに
1-3と書かれたプレートが掛かっている教室に辿りついた。
ここだ…
あたしは意を決して教室のドアを開けた。