冬物語


放課後――

「じゃあ俺サッカー行くから。」
あたしが帰りの用意をしていると何事もなかったかのようにあたしの席まできてそう言いにきた。


「え…あ、うん」
いつも通りすぎて、やっぱり朝のは嘘だったんだ、って少し安心した。


「あ、ごめん。お前とはもう帰ったりしないんだっけ。」

と後から思い出したかのように言ってきた。


「……」
あたしは何も言えない。


「わりいわりい。笑」
レイは笑ってる。
それがなんか悔しくて、あたしはまた意地を張って言ってしまう。


「…ほんとだよ~。またなんか言われちゃうじゃん。」

ほんとはそんなこと思ってないよ。普通に話しかけてくれて嬉しかったよ。

なんであたしは素直になれないんだろ…
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