冬物語
「ごめんって!…じゃなっ」
そう言ってレイは走って行ってしまう。
「……」
普通のレイが嬉しかった。
あたしがあぁ言ったときのレイが………淋しかった。
思い知らされた。
レイはあたしのことなんてなんとも思ってない―――
あたしは駆け足でランドセルを背負い、教室を出た。
自分が嫌になった。
自分の気持ち言えばいいだけなのに。
言えばよかった。
今更後悔しても
もう遅い。
遅いんだよ。
メニュー