冬物語
あたしは重い足どりでグランドに出た。
「レイ!」
「はぁ~…、サンキュー未来。」
未来と呼ばれたコがレイのところへ駆け寄る。
「いいよいいよ~。一応マネージャーだし、当たり前っ♪」
そのコもレイも、笑ってた。
「まあそうだけどさっ。」
「それよりレイ。ほんと上手くなったよ!!」
「マジ?!やった♪」
「めちゃめちゃカッコ良くなったよ~♪」
「ぃよっしゃあぁぁあ!!」
レイの叫び声は小学校の小さいグランドに響き渡った。
レイ…
なんでそんなに笑ってるの?
そのコが好きなの?
だから嬉しくてそんなに喜んでるの?
だからあたしといることが迷惑だったの?
あたしが近くにいたときもそのコのこと考えてたの?