冬物語

レイはあたしの隣にずっといるって、ずっとずっといるって思ってた。


その笑顔はずっとあたしの近くにあるものだと思ってた。


そう考えてたのはあたしだけだったんだ。



た…た……
無意識に歩きはじめてた。

スー…っと横を通り過ぎたかった。
見たくなかった。



何も話すことなんてない。
あたしは何もできなかった。


ずっと隣にいたのに、
今更早く言えばよかったと
後悔が押し寄せる。


スキって
言っておけばよかった。


でもそれももう無理。


恋愛対象外と言われて
告白する人がどこにいようか…


あたしたちはそんな関係だったんだ。
< 20 / 186 >

この作品をシェア

pagetop