冬物語
ほんとは嬉しかったりしたの。
気付いてくれたんだ、って。
ちゃんと見てくれてたんだ、って。
そんな些細な期待だってすぐに崩れ落ちる。
期待なんてしたって無意味。
だってレイは
あたしなんか
見てないんだもん。
「ぁ…」
レイが少し声をあげた。
マネージャーさんは気まずそうにしてる。
「えっと…やっぱり二人は付き合って……」
マネージャーさんがそこまで言うと、レイが
「そっ///」
否定しようとした。
「そんなわけねえじゃん」
って言おうとした。
あたしはまた悲しくなって、
自分から言ったんだ。
「…そんなわけないじゃん。」
あたしは静かにそう言った。
そして続けた。
「あたしとレイはただの幼なじみで、恋愛対象外だし。恋に発展するわけないじゃん。」
あたしはレイとマネージャーさんの前で、静かにそう言った。
レイに言われたことをそのまま自分でも言った。
後からまた後悔した。