冬物語
「そ、そっか。そうだよね。ごめんね、なんか。変なこと聞いちゃって…」
………。
なんだろう。
「…じゃあね。」
あたしはそう言ってまた歩きだした。
「あ、ちょっ…おい!」
レイに呼び止められたけど、無視。
振り返ってどおする。
目合ってどおする。
どうにもならない。
なんだろう。
なんか、すごく
むかついた。
マネージャーさんのあせりかたがすごくかわいくて…
あたしはなぜか意地張ってて…
あのくらいあせったら、嘘ってことがわかってもらえるんだ。
あたしは冷静すぎた――
気づいてほしいのか
ほしくないのか。
そりゃ気づいてほしいし
嘘だって、言いたい。
けどもう遅い。
あたしはいつも
後から後悔する。