冬物語
ばいばい。と…
「……」
なんでこんなにもゆっくり歩いてるんだろ…
レイは追いかけてこないのに。
そんなことわかってるはずなのに。
それをあたしはどこかで
期待してるんだ…
くるわけない。
そんなの知ってる。
だけど歩くスピードは
ほんとにゆっくりで…
そしてまたわかる。
自分は今、一人なんだって…
レイはサッカー。
きっとマネージャーさんと一緒に
さっきみたいに笑ってる。
だからレイはこない。
あたしはそう自分に言い聞かせて
ゆっくりと一人の帰り道を歩いた。