冬物語
月日は流れて――冬。
気がつけば卒業式の日も近く、そろそろみんなが友達の仲を確かめ合う頃だった。
「やっぱお前らおかしいって!!」
一人がいきなり叫ぶ。
「お前らって?」
空気を読みすぎた男子が叫んだ台詞は、空気の読めない男子の台詞に返された。
「コイツと、アイツ。」
コイツのときに近くにいたレイを指さし、
アイツのときに少し離れたところにいたあたしを指さした。
「別に変じゃね~し。 な?」
少し遠くにいるレイはあたしの顔をみて確かめてきた。
あたしはずっとレイを
あからさまに避けてきていたから、あえて俯いた。