冬物語
「あ…」
窓のすぐ横に座っていたレイは呟くようにそう言った。
「嫌になったとかじゃないもん。」
ただこれだけは伝えなくちゃいけないと思ったから…
「じゃあなんでだよ?」
なんでってそんなの…
「言わないよ。」
そう言って、俯く自分。
「意味わかんねー。」
確かに意味わかんないけど!だけど…
「一緒にいても意味ないし、やめるの!」
あたしはそう言って、また窓を閉めカーテンを引いた。
「おい、ちょっと!ここ開けろよ!なんでまた閉めてんだよ!」
あたしはベッドまで行けず、その場でしゃがみ込んだ。
「・・っ」
もうやめるの。
もうやめる。
一緒にいても、君の心が自分に向かないのならば…
あたしはそう言って、
逃げた―――