冬物語
涙
――あれからレイと話すことは一度もなかった
「レイ君とこのお母さんと話してたんだけど、最近レイ君と話してないわよね~?」
「・・・。」
なんなんだよ、この人は。
「そんなことない。」
私を一番に苦しめてるのは、こういう周りの声なのかもしれない。
周りはいつだって見てた。私たちの関係。
だけど、周りはいつだってわからない。私の気持ち。
もうすぐ卒業・・
教室では、みんなが口々に卒業することに対して言ってる。
「もうすこしで卒業だなー」
「そうだなー。でも、公立中学行く奴にはまた会えんじゃん。」
「そりゃそうだけどさー。」
・・・そうだ。
振られて、終わりじゃない。
中学へいっても、同じだ。またレイの顔を見なくちゃいけない。
気まずいのは嫌だ。