冬物語
―――
―――
場所は変わって堤防・・
ここを通る人はいない
きっとだからだろう。
そういう話をしたい、というわけだ。
そんなことを私は推測している。
「・・・。」
つれてこられた私はもちろん無言。
「あ、あのさ~・・」
やっと口を開いたのは、私をここまで連れてきた男子。
「・・俺のこと、覚えてる?」
・・何言ってんの?当たり前じゃん。
私はそんなことを思いながら、頷く。
「そっか・・。あのさ、・・やっぱ、怒ってる、よな?」
へ?!
「・・ほんと俺らさ、お前とレイの仲を崩した張本人だし・・」
「ほんとに悪いと思ってる。」
「マジごめん!」
なんかこう・・
こんな人の通らない堤防に連れてきたもんだから・・
つい私は、殴られたり蹴られたり、リンチっぽいことされるのかな、って内心すごく怯えていた。
なのに・・
「ほんとはさ・・お前らのこと、応援してたんだ。」
「くっつけよーとして、あんなこと言っちまって・・」
「逆に・・お前らの仲を崩しちまって・・」
『ほんとごめんな。』
三人がそんなこと言うから、流そうとしなかった涙が流れそうになった。