冬物語
羽田さんは今、笑っているかな
レイは今、笑っているかな
私は今、笑えているかな・・?
―――
しばらく歩くと、小学校が見えてきた
「・・・。」
それを見ると、私は目をそらしたくなった
嫌いだ、こんな学校なんか。そんな感じ・・
グランドが見えた
「・・・。」
いつもあそこでレイはサッカーをしていた
同じサッカーのクラブの人たちや羽田さんと一緒に、笑ってて、走ってて・・
その姿がいつまでも私の頭の中で生きている
レイの笑った顔、意地悪な声
全部すぐ近くにあったはずなのに、すべて失ってしまった
そう。私にとって、レイがすべてだった。
レイがいてくれたから幸せで、平凡な日々を過ごせていたの。
私は今、笑えていないけれど、レイは今羽田さんと笑っているかな