激情型お姉さん ナツコ
翌年4月

「いい?何かあったら
必ずお姉さんに報告するのよ。」



そう言ってナツコは
憧れの都会でのデパートガールとなった。



やがて1ヵ月が過ぎた。



父が言った。



「やっぱりナツコがいないと
少し静かだなあ。」



母が言う。



「あの子はおしゃべりが好きだったしね。
あなたとはケンカばかりでにぎやかでしたし…。」



そうだ、父の激情型をナツコが受け継いだのだ。



ケンカが絶えないわけである。



「そう言うけどな、母さん
ナツコを思えばこそのケンカだったんだよ…」



「ハイハイ」



母はそう言ってから
私の方を見て肩をすぼめた。



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