激情型お姉さん ナツコ
ナツコは仕事に燃えていた。



何ごとにも激情するのだ。仕事に打ち込まないわけがなかった。



そのデパートでは、新人は売場の販売員として
配置されていた。



ナツコは新人研修後、電化製品売場についた。



「電化製品売場か…。」



異例の配置だった。
大体の販売員は男性だったからだ。



女性は電化製品に弱い…。


蛍光灯ひとつ交換出来ない。


テレビとビデオデッキの配線なんて、もってのほかだ。


そう思われている時代だった。



今の女性にもその名残はあるかも知れない。


異例の女性配置に社員の噂の的となった。



「あの子、なんで電化?」


「もしかして使えないから電化に入れて、
大変な思いさせて
やめさせるって魂胆なんじゃない?」



「実は実家が電気やさんとか?」



「おかまらしいわよ。」



「違うわよ、ニューハーフらしいわ。」



噂というのはどこまでも
一人歩きするものだ。
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