Hide-and-Seek&Tag
「つか、私だけなんすか?ほかのスポーツ推薦の人は?」
「今年のスポーツ推薦入学者はアキちゃんだけなのー」
「は!?!?!?なんすか、それ!?!?試験のとき、あんなにいたじゃないっすか!?!?!?」
「今回は前回までが前回だったから、選考基準が厳しかったんだよー。そのなかで合格したアキちゃんはすごいんだよー!!!!さすが僕のアキちゃん!!!!!!」
「や、センパイのものになったことはありませんが」
間にあるテーブルをものともせずに、ぎゅーっとしようとする朔の腕から、どうにか逃げ、ギンッッッッと睨みつける。
「まぁ、事情は解りました。けど、なんで登校早々あんなとこで待伏せしてるんすか?別に放送でも…」
「えー?だってアキちゃん逃げるでしょー?」
くそぅ……
さすがに中学から知ってるだけある……
アキちゃんの行動パターンなんてお見通しなのー、なんて言いつつ、朔は人畜無害で天真爛漫な笑顔を見せる。
男でそれは反則だろぅ………ッッッッ
私はいつだって、その笑顔に弱いんだ。
「ま、そんなかんじで今日の放課後、生徒会の集まりに顔出してね?」
「うー……、今日から部活が始まるのにぃ……」
「うん、だから今日は顔合わせだけでいいからね?」
「ほんとっすか!?!?!?」
「ほんとっす、よ」
明らかにテンションのあがった私に、朔のクスクス笑いが向けられる。