Hide-and-Seek&Tag
「………なんすか」
ニコニコな朔に多少の気まずさを感じ、こちらから話をふる
少々苛立ちを含んだ声になるのは、致し方ない
「んーん。ただアキちゃんは可愛いなぁ、て」
机に両手で頬杖つき、ニコッと笑いながら言う朔のがよっぽど可愛いやぃ、なんて口が裂けても言いたくない
「……私を"可愛い"なんて奇天烈なこと言うの、センパイだけっすよ」
肩を落とし、首をすくめてポツリともらす
女の子にしては高めの身長、凹凸のない身体、唯一女らしさのある艶やかな髪は無造作にくくられている
加えて、空手と合気道の有段者、向かうところ敵無し、な私は昔から"可愛い"とは程遠い、と知っている
そんな私を唯一朔は"可愛い"と言ってかまうのだ