宇宙想い-soraomoi-
だけど、ある時、不幸の底に落ちていた私も救いだしてくれた者がいた。
それは

崇葉と臨だった。


私は振られて2週間近く、崇葉の事を避けてた。
すごく、わざとらしく。
だけどそれはものすごくつらい事だった。大好きな人に嫌われ、避けなければならない。そんなのは耐えられなかった。傷だらけな心にさらに傷が着く。もう、ボロボロだった。

だけどある日、バスケの男子の試合を見に行った時、いつもおちゃらけてた崇葉が私の靴をわざと?かな?地下鉄で踏み、私を怒らせ?そっから話が弾んだ。
何気無い事でこんなにも楽しくなり、思ってたよりも早く元の自分を取り戻せた。それからというもの、崇葉とはたまにだけど喋る。


そして、臨とは私と一年生からの付き合いで──…

「おぅらっ!」
「痛っ!なにしてくれるんだ!?バカ臨!」

と、喧嘩仲間&異性友達。

そんな、臨も私を助けてくれた。

私がふられている事、皆は知っていた。そして誰もが知らないふりをしてきた。私は唯、「頑張れ」とか「大丈夫」とか、そう言う助言が欲しかった。だけど皆は知らないふりをした。

でも

臨は違った。

* *

『残念だったね〜。』

『え?何が?』

『まぁ…』

『?』

──『宙奈は頑張ったよ。』


* *

そう言ってくれた。
すごく嬉しかった。

『頑張ったよ』

その一言がとても、とても、嬉しかった。
崇葉に初めて
『好きだよ』
って言われた時よりも嬉しかったかも…。

なーんて。言い過ぎか。
でも、そのくらい臨の言葉が嬉しかったんだ。
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