恋文
【あの夏祭りの日ね、あたし絶対忘れません。
っていうか、忘れられないよ。
だって、あたしと昌春の記念日だもんね。……今、思いだしたらもっと昌春のこと好きになっちゃった。】
───…ピューヒラピュードンドン。
お祭りの独特の音と楽しそうな人々の笑い声が聞こえてくる。
そして、
コマイヌの前に立っている女の子二人組。
二人とも浴衣を着ていて
愛奈は、花火模様で青がモチーフの浴衣。
香は金魚で白がモチーフの浴衣を着ていた。
『香ちゃん、かわいー』
愛奈は、キラキラ目を光らせた。
『お世辞のくせにー』
『そんなわけないじゃんっ!すっごくすっごくかわいいよ』
『そ…、そうかなぁ?』
『うんっ、ってか、宮崎君達遅いねぇ…』
『だよね〜、何してんのかなぁ?』
『気になる?』
『うん。気にな………らない』
『……なる?』
………危ないな。
愛奈...