恋文
〜香side〜大切な人
───…緑の葉っぱが見事に
赤や黄色や茶色に染まった季節……
まるで、あたし達の恋の色みたい。
………なんちゃって★
『──…昌春〜』
『何?どうした』
香は嬉しそうに昌春に声をかけた。
『えっへっへ。実はね──…』
『──…“眠りの森の美女ぉ”?』
とすごく嫌そうな顔をする昌春。
『そ。文化祭でね、うちのクラスは劇やることになったんだよ。』
『…で、なんでそんなに嬉しそうなわけ?』
『んふふ〜。それはね、あたし達が主役に抜擢されたからよ』
『………………は?』
昌春は、まるで理解出来ないというように不可解な表情をした。