恋文
『……分かった。信じるよ』
『……よかった。香』
昌春は、ほっとしたように息をついた。
『うん……』
と香はブスッとして言った。
大好きな君を信じた。
だって、嫌われたくなかったんだもん。
──…これで、よかったんだよね?
これで──…
そして、着々と演劇の話やら
練習やらが進み──…
ついに、本番当日となりました。
『香ちゃん……大丈夫?』
愛奈が不安そうに香を見つめる。
『だっ…だ、だぃびょうぶらよ……』
思っていたより多い観客に
ガチガチに緊張する香。
『…全ッ然、大丈夫じゃないじゃん』
愛奈は更に心配そうに香を見つめる。
『らいびょぅぶらって』
『上手く、上手く話せてないよ香ちゃん』
…と、ここで颯爽と昌春が登場した。
『まっ……ましゃは───…』
と舌を噛んでしまう香
『い………ったぁぃ』
思わず涙が出る。