恋文


『……香っ、大丈夫?』

と駆け寄る昌春。


『──…っ、大丈夫..』

と涙目になりながら

香は昌春を見上げた。


と、途端に昌春に目が釘付けになる。




サラッサラの黒髪によく似合った王冠。


そして、がっしりとした体に

よく似合う青がベースの貴族の服──…



眠りの森の美女は、

こうして王子に恋をしたのかな…?


と、思わず空想に酔いしげる香。
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