恋文


『まっ……、まさ!昌は………』


観客席もざわざわとざわめいている。




昌春は、イタズラをした後の

子供のような顔をして笑いながら





『劇はまだ終わってないぞ?』


と小声で言った。



ズルい……


ズルいよ昌春───…


なんで、そんなに

あたしのことドキドキさせるの?



昌春は、あたしのこと

ドキドキさせる天才なの?


あたしはね。昌春のことが、

世界で一番好きだよ──…



例え、どんな王子様が現れたとしても

あたしはきっと


昌春以外を愛することはできないよ。



だってね、ほんとに

あたしというお姫様には

昌春という王子様しか


似合わないと思うの。


分かる?


それほど、あたしが

昌春にぞっこんなんだって事──…
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