恋文


『わーっ!わーっ!冗談だよ、宮崎〜っ』

とこれはマズいと田辺君は、

昌春に精一杯取り繕った。


その姿が面白くて

ついつい笑ってしまう香。


『何、笑ってんだよ』


と、冷たく言い放つ昌春。


『へ?』


『……向こう行けよバカ』

遂にはそっぽを向いてしまった。


───…な、


『何よ〜っ』


と香が頬を膨らませても

無視をする昌春。



………なんだそれ!


『むっ……向こう行けばいいんでしょっ!行くよ、昌春のバカっ』


香が背を向け、進んでも無視。



なっ……

なによっ!なんなのっっ



わけわかんないっ

何、急に

あたしなんかしたっ!?


してないよっ!
< 67 / 81 >

この作品をシェア

pagetop