恋文


ちらっと後ろを振り返ってみる香。


昌春は、田辺君に

真面目に勉強を教えている。



ふっ……ふんだ!


───…なんなのっ


少しくらい振り向いてよ!


バカまさっ!



それからだった──…



幸せいっぱいだった私達が、

段々と離れていく事になったのは。


理由なんてあたしには、分からない。


ただ、昌春があたしから

離れていっただけ───…



あんなに……

あんなに側にいてほしかった人が

いとも簡単にいなくなるなんて..


あたしがもっとも

想像できない未来だった──…
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