コガネ《短》


――――


仕事も終わり、時刻は六時過ぎ。

俺はボストンバックを肩にさげ、家へと向かう。溶けてなくなる寸前の夕陽の熱が、じりじりと背中を焼いた。



ふと一軒の家の前で足を止める。

広い庭に咲き乱れる色鮮やかな花々に、目を奪われた。

ふわりと漂う、芳香な花の香り。

花から花へ飛びまわるミツバチ。
羽を震わせて、大空へ飛び立っていく。


それを目で追い、空を仰ぐと

そこには、熱く、鋭く、胸を突き刺す黄金。







温かい滴が、頬を伝った。











―ミツバチは、大空で結婚式を挙げます―















< 26 / 27 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop