コガネ《短》のレビュー一覧
チクリ、と僕の恋に刺した、コガネ 放課後の図書室 ゆったりと流れる時間 ふわりと浮いては沈む恋心 淡いオレンジ色に染まった小さな部屋に、自分もまるで立っているような感覚に陥りながら 読者も蜜蜂にチクリと刺された。痛い、だけど優しさに目を細めるような懐かしさに溢れる。 たった一瞬のように過ぎ去ってしまった恋だったとしても、それは痛みに似ているから。 それを胸に抱えながら、きっと僕はあなたを忘れない。 ある時には温かく降り注ぐ糧となりながら、ある時にはあの頃のアルバムの象徴となりながら。 この突き刺さった針が抜けないように、恋い焦がれたまま泣いたコガネのように。 留めどなく溢れる感情の行き先を僕は知らない。
まさしくコガネ。 あの頃――高校時代に抱く気持ちはどんなときよりも輝いていたように思います。 その中の一つが恋ではないかと。 主人公の抱くもどかしい気持ちに覚えがあります。懐かしくも微笑ましい。 読後余韻に浸れる作品です。ぜひ!
. 彼が生まれて初めて抱いたという“思い”の、何という清しさ。 それが“コガネ”と交錯し、更にキラキラと輝きを増していく。 このお話の先、たくましく成長するであろう彼の未来まで、見えたような気がしました。 大人のあなたにも、是非。 .
先生に片思いを寄せる生徒の切ない恋愛を描いた作品。よくある構図ですが、この作品は本当にイマドキのとは違います。 内容は、そうですねぇ。書いてしまうとネタバレになりそうです。主人公は高3の男。図書館の司書さんに恋してます。ラストにはしょっぱいという著者の表現が一番良いですね。 文章は、描写は問題ないと思います。展開は少し急いでいるような気がしました。司書さんとの絡みはコレで良いけど、もう少し起承転結を意識して、図書館の中という二人だけの世界を広げて欲しかったです。個人的に。 キーワードを出すタイミング、それを繰り返すタイミングに気をつけて。楽しみにしてます。